【Web最適化診断】自社サイトの「離脱ポイント」を特定し、成約率を最大化する方法

あなたのサイト、どこで離脱されてる?

Webサイトに来た人の70〜85%は何もせず離脱します。問題は「どこで離脱しているか」を把握していないこと。

無料ツールで簡単に特定できます。

自社サイトのアクセス解析を毎月確認している経営者は、体感として全体の2〜3割程度ではないでしょうか。「サイトは作ったから安心」という状態のまま、実際にどのページで訪問者が離れているかを把握できていないケースが多く見られます。問い合わせが増えない理由を「業種柄仕方ない」「時期のせいだろう」と片づけてしまうと、本来であれば改善できたはずの離脱ポイントがそのまま放置されてしまいます。

離脱には主に3つのパターンがあります。①トップページを開いた瞬間に閉じてしまう「瞬間離脱」、②複数ページを回遊したものの問い合わせや予約に至らない「回遊離脱」、③フォーム入力の途中でやめてしまう「入力離脱」です。それぞれ原因も対策もまったく異なるため、まずは自社サイトがどのパターンに当てはまるかを把握することが、改善の出発点になると考えられます。例えば「瞬間離脱」であればファーストビューの訴求内容、「回遊離脱」であれば信頼形成コンテンツやCTA設計、「入力離脱」であればフォームの項目数や操作性に、それぞれ改善の余地が潜んでいることが多いようです。

最近は、GoogleのAI Overviewをはじめとする生成AIの検索結果からサイトへ流入するケースも増えてきています。この場合も、訪問者が求める答えにたどり着けるページ構成になっているかどうかが、離脱を防ぐうえで重要な視点になるのではないかと考えられます。

離脱ポイント特定の3ツール(無料)

いずれも導入費用がかからず、専門的な知識がなくても数値を確認できるツールです。1つだけでも十分に効果がありますが、「行動を見るClarity」「数値を見るGA4」「速度を見るPageSpeed Insights」の3つを組み合わせることで、離脱の原因をより立体的に把握できると考えられます。

1. Microsoft Clarity(無料)

ヒートマップ・セッション録画でユーザーの動きを完全可視化

サイトにタグを1つ設置するだけで、訪問者がどこまでスクロールしたか、どのボタンにマウスを近づけたか、どのページで離脱したかを録画データとして確認できます。導入から数日あれば十分なデータが集まるため、離脱ポイント特定の第一歩として着手しやすいツールです。「思ったよりファーストビューで離脱している」「電話番号の下までスクロールされていない」といった気づきが得やすく、次に紹介するGA4と組み合わせることで、数値と実際の行動の両面から離脱ポイントを特定できます。

2. Google Analytics 4(GA4・無料)

ページ別の離脱率・滞在時間を自動集計

管理画面の「エンゲージメント」レポートから、ページごとの平均エンゲージメント時間・離脱率を確認できます。特に注目したいのは、問い合わせページやフォームページの離脱率です。ここが極端に高い場合、フォームの入力項目数や必須項目の設計に問題がある可能性が高いと考えられます。GA4は無料な一方で項目が多く操作にやや慣れが必要なため、最初は「ページ別レポート」と「コンバージョンの到達状況」の2つだけを確認すれば十分です。

3. PageSpeed Insights(無料)

表示速度を計測。3秒以上で53%が離脱

URLを入力するだけで、スマホ・PCそれぞれの表示速度スコアと具体的な改善提案が表示されます。一般的な目安として、表示速度が1秒遅くなるごとに離脱率は上昇するといわれており、特にスマホからのアクセスが多い業種では、表示速度の改善が成約率に直結しやすい項目です。画像の圧縮や不要なプラグインの整理だけでもスコアが改善するケースが多く、まずは自社サイトの現状スコアを確認するところから始めることをおすすめします。

CV率改善15項目チェックリスト

以下は、実際にWebサイト診断の現場で使用しているチェック項目を、5つのカテゴリ・15項目に整理したものです。自社サイトを開きながら、該当する項目にチェックを入れて数えてみてください。専門知識がなくても、10分程度あれば一通り確認できる内容にしています。

A. ファーストビュー

特にスマホでの表示は、パソコンで見た時よりも一度に目に入る情報量が少なくなります。初めて訪れた方でも数秒のうちに「自分に関係があるサービスだ」と伝わるかどうかを、実際にスマホから自社サイトを開いて確認してみてください。

B. 信頼形成

お客様の声は、匿名の一言コメントよりも、具体的な業種・地域・利用のきっかけまで書かれている方が信頼性が高く感じられる傾向があります。可能であれば、写真や施工事例とセットで掲載することをおすすめします。

C. CTA設計

CTAボタンが1種類だけだと、まだ検討段階のユーザーを取りこぼしてしまいます。「今すぐ予約」のような即決型の文言に加えて、「資料をもらう」「LINEで相談」のような心理的ハードルの低い選択肢も用意しておくと、離脱を防ぎやすくなると考えられます。

D. 情報透明性

料金や施工事例などの情報が不透明なサイトは、比較検討段階のユーザーが他社に流れてしまう大きな要因のひとつです。「詳しくはお問い合わせください」で終わらせず、目安価格だけでも掲載しておくことをおすすめします。

E. UX

UXに関する項目は地味に見えますが、フォームの入力項目が多いだけで途中離脱が増えるというデータも珍しくありません。まずは「本当に今この項目が必要か」を1つずつ見直すだけでも、入力離脱の改善につながると考えられます。

8項目以下:要改善 / 9-12:標準 / 13以上:優秀

「要改善」に該当した場合は、まずファーストビューとCTA設計から見直すことをおすすめします。この2カテゴリは訪問直後の数秒間に影響する項目が多く、改善の効果が比較的早く数字に表れやすい傾向があると考えられます。「標準」に該当する場合も、13項目以上を目指して、お客様の声や実績といった信頼形成コンテンツを強化する余地が残っているケースが多いようです。

京都府サービス業の改善事例

京都府でサービス業を営むクライアント様の事例をご紹介します。ご相談をいただいた時点では、上記15項目チェックのうち6項目しかクリアできていない状態でした。特に信頼形成とCTA設計のカテゴリが弱く、お客様の声はわずか3件のみ掲載、CTAボタンも「お問い合わせはこちら」の1種類だけという状態でした。

15項目中6項目しかOKだった状態→改善後12項目OK:

項目改修前改修後
離脱率78%52%
CV率0.9%2.6%
月問合せ12件36件
月粗利約180万円約340万円

サイト全リニューアルではなく、現状サイトのチェック15項目改善だけでこの結果。

実施した改善は、①お客様の声を10件以上に増やす、②CTAボタンを「今すぐ予約」「LINEで相談」「資料をもらう」の3階層に分ける、③フォームの入力項目を8項目から4項目に減らす、の3点が中心でした。大規模な改修を伴わず、既存サイトの構成を活かしたまま優先度の高い項目から着手したことが、比較的短期間での数値改善につながった要因ではないかと考えられます。

ここまでご紹介した無料ツール3つとチェックリスト15項目は、いずれも特別な予算をかけずに今日から着手できる内容です。まずはMicrosoft ClarityとGA4を設置して現状を数値で把握し、その上でチェックリストと照らし合わせながら優先順位の高い項目から手を付けていくことをおすすめします。自社での診断が難しい場合は、テラデザインの無料Web最適化診断でも承っておりますので、お気軽にご相談ください。


著者プロフィール

小宮山 泉(株式会社テラデザイン代表)。東京都八王子市を拠点に、中小企業・個人事業主向けのWeb制作とAI活用支援に携わっています。日々の営業現場やクライアント支援で見えてきた離脱率改善の知見を、実務で使えるチェックリストの形にしてお届けしています。