「ホームページを作ったのに、問い合わせが増えない」というご相談を受けるとき、原因の多くはデザインではなく「公開後、何もしていないこと」にあると考えます。かつては公開するだけである程度の効果が見込めた時代もありましたが、検索エンジンの仕組みが変わり続けている今、その前提はすでに崩れています。ここでは、なぜ「作れば集客できる」という考え方が古くなったのか、その背景と、これから必要になる公開後の取り組みについて整理します。
1.「作れば集客できる」と考えられていた理由
ひと昔前は、競合となるホームページ自体が少なく、公開しているだけで一定の露出が得られる時代がありました。制作会社の多くも「まず作ること」を提案の中心に置き、公開後の運用まで踏み込むケースは多くなかったと考えられます。
その名残もあり、今でも「ホームページは制作して終わり」という認識を持つ経営者の方は少なくありません。
また、検索エンジン自体の精度も今ほど高くなかったため、シンプルな情報を掲載しているだけでも、それなりに検索結果に表示されていたという事情もあります。当時の成功体験が、今も「制作費こそが投資のすべて」という認識として残っているケースは少なくありません。
2.検索エンジンの仕組みは、この10年で大きく変わった
Googleの検索アルゴリズムは、年間で数百回規模の更新が行われていると言われています。評価の基準は「キーワードが含まれているか」から、「利用者にとって本当に役立つ情報か」「発信者に専門性・信頼性があるか」という方向へと、年々厳しくなってきました。
一度上位表示されたページが、半年後には順位を落としているというのは珍しいことではありません。
具体的には、利用者の検索意図に合っているか、情報が最新かどうか、発信元に十分な実績があるかといった観点が、以前よりも重視されるようになっています。表面的なテクニックだけで評価を得ることは、年々難しくなってきていると言えます。こうした変化のスピードは年々増しており、数年前の知識のまま対応を続けていると、かえって評価を下げてしまうことさえあり得ると考えます。
3.AI検索・AI Overviewの登場で起きていること
近年はAIが検索結果の要約を表示する「AI Overview」のような仕組みも広がっています。検索結果に表示されるだけでなく、AIに参照され、回答の中で紹介されるかどうかという新しい評価軸も加わってきていると考えます。
この変化に対応するためには、公開時点の情報だけでなく、継続的な更新と見直しが欠かせません。
AIによる要約は、検索結果の一番上に表示されることが多く、そこに取り上げられるかどうかで、利用者の目に触れる機会そのものが大きく変わってきます。今後はこうしたAIの参照先として選ばれる情報発信が、ますます重要になっていくと考えられます。この変化に早い段階で対応できるかどうかが、今後の検索経由の集客力に大きな差を生む可能性があると考えられます。
4.「公開後に何もしていない」ホームページに起きていること
更新が止まったホームページは、検索エンジンからは「動きのないサイト」として扱われやすくなります。順位は急に落ちるのではなく、じわじわと下がっていくため、経営者ご自身が気づきにくいという特徴もあります。
気づいたときには、競合他社に検索結果の上位を明け渡してしまっているケースも見受けられます。
特に、同業他社が定期的に情報を更新している場合、その差は時間の経過とともに開いていきます。検索結果の一覧で、自社より新しい情報を発信している競合が上位に表示される状況が、静かに積み重なっていきます。
5.育てるために必要な、継続的な取り組み
ホームページを「育てる」というのは、大掛かりなリニューアルを繰り返すことではありません。ブログや新着情報の更新、表示速度やスマホ対応の見直し、検索結果での見え方の調整など、小さな改善を積み重ねることを指しています。
この積み重ねが、検索エンジンからの評価と、訪れた方の信頼の両方につながっていくと考えます。
こうした取り組みは、一度に大きな成果を生むものではありませんが、継続することで少しずつ検索エンジンからの信頼を積み上げていきます。派手さはなくても、着実な改善の積み重ねこそが、長期的な集客力につながると考えます。どの施策から着手すべきかは会社ごとに異なるため、まずは現状を診断し、優先順位をつけて取り組むことが望ましいと考えます。
6.月額制のホームページ運用という選択肢
専任のWeb担当者を置くことが難しい中小企業様にとって、継続的な改善を自社だけで続けるのは簡単ではありません。そこでおすすめしたいのが、初期の制作費だけでなく、月額でホームページの運用・改善までを任せられる仕組みです。
「作って終わり」から「育てて伸ばす」への発想の転換が、これからのホームページには必要ではないでしょうか。
初期費用をかけて作ったホームページを、その後放置せずに育て続けることができれば、投資した費用そのものの価値も長く維持されます。制作と運用を切り離さずに考えることが、これからのホームページ活用には欠かせないと考えます。「作る力」と「育てる力」の両方を兼ね備えたパートナーと一緒に取り組むことが、これからのホームページ活用の基本になっていくのではないでしょうか。
まとめ
ホームページは、公開した瞬間がゴールではなくスタートです。検索エンジンの評価基準が変わり続ける以上、一度きりの制作費だけで成果を出し続けることは難しくなってきています。まずは自社のホームページが「公開後、どれくらい手を入れられているか」を振り返ってみることをおすすめします。継続的な改善を仕組みにできる月額制のホームページ運用も、選択肢のひとつとしてご検討ください。
