はじめに(この記事は約7分で読めます)

「ホームページを新しくしたいが、小規模事業者持続化補助金を使えるのだろうか」というご相談を受けることがあります。結論から述べますと、ホームページ制作は、販路開拓の取り組みの一環として対象になり得る費目のひとつと考えられますが、すべてのケースで認められるわけではなく、条件や上限の考え方を理解しておく必要があると考えます。この記事では、対象になりやすい条件、上限についての基本的な考え方、申請前に確認しておきたい注意点を整理します。

2026年10月時点の情報です。制度の内容や対象条件、上限額、申請の方法は年度や地域によって変わることがあるため、最新の内容は必ず商工会・商工会議所や公式情報でご確認ください。

目次:補助金でホームページを作れるかを判断するために

  1. 結論:ホームページ制作は対象になり得るが、条件がある
  2. 対象になりやすい条件とは
  3. 「上限」はどのように考えればよいか
  4. 対象になりにくい、誤解しやすいケース
  5. 申請前に確認しておきたい注意点
  6. 制作会社を選ぶときに気をつけたいこと

1. 結論:ホームページ制作は対象になり得るが、条件がある

小規模事業者持続化補助金は、小規模な事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを後押しする目的で用意されている制度のひとつです。ホームページ制作費は、ウェブサイト関連費として対象に含まれる場合がありますが、補助金全体の金額のうち、ウェブサイト関連費として使える範囲には上限が設けられていることが一般的なようです。つまり「ホームページだけを作れば満額もらえる」という制度ではなく、販路開拓のための事業計画全体の一部として、ホームページ制作が位置づけられている点を理解しておく必要があると考えます。上限の具体的な考え方は、商工会・商工会議所の公募要領によって定められていますので、申請前に必ず確認していただければと思います。

2. 対象になりやすい条件とは

対象になりやすいかどうかを判断する軸は、「ホームページを作ること」自体が目的になっていないかどうかという点ではないでしょうか。多くの制度では、事業計画に基づいた販路開拓の一環として、ホームページ制作が位置づけられている必要があると考えられます。たとえば八王子市内の製造業の想定ケースでは、新しい取引先への訴求を目的にした会社紹介ページの充実、飲食店の想定ケースでは、来店につながる情報発信の強化といった形で、事業計画の内容とホームページの中身が結びついていることが評価されやすいポイントのひとつと考えられます。「古くなったから作り直したい」という理由だけでは、審査で評価されにくい可能性があります。

3. 「上限」はどのように考えればよいか

補助金における「上限」には、いくつかの考え方が重なっています。補助金全体の上限額、補助率(費用のうち何割が補助されるか)、そしてウェブサイト関連費として使える範囲の上限という、複数の制限が組み合わさっているためです。具体的な金額は年度や枠によって変わる可能性があるため、この記事では断定を避けますが、ウェブサイト関連費のみでは申請できず、他の販路開拓の取り組みと合わせて申請する必要があるという運用がされている点は、押さえておきたいポイントのひとつと考えられます。

4. 対象になりにくい、誤解しやすいケース

実際のご相談の中では、対象になると思い込んでいたケースが、実は該当しない場合もあるようです。たとえば、既に公開しているホームページの軽微な更新だけを目的にしている場合や、デザインのリニューアルのみが目的で、販路開拓の取り組みとのつながりが説明しづらい場合は、評価されにくい可能性があります。また、ホームページ単体の申請ではなく、チラシや展示会出展など、他の販路開拓の取り組みと組み合わせて計画することが前提になっている制度設計も見られます。思い込みで進めず、計画全体の中でホームページ制作がどう位置づけられるかを、最初に整理しておくことをおすすめします。

5. 申請前に確認しておきたい注意点

申請の順番にも注意が必要です。多くの制度では、採択・契約前に発注してしまった費用は対象外になる運用がされていることが多いと考えられます。制作会社に見積りを依頼する段階と、実際に契約・発注する段階は分けて考えておくことが大切です。また、申請から採択、契約、制作、公開までには一定の期間がかかるため、公開を急ぎたい場合は、補助金の審査スケジュールと制作期間の両方を踏まえて計画を立てる必要があります。

6. 制作会社を選ぶときに気をつけたいこと

補助金の活用を前提にホームページ制作会社を選ぶ際は、「補助金の対象になる」という説明だけで判断しないことが大切だと考えます。見積り内容が事業計画に書いた目的と一致しているか、公開後の運用まで見据えた内容になっているかを確認してください。たとえば多摩地域の美容室の想定ケースでは、補助金で初期費用をまかなえても、公開後の更新や予約導線の整備が計画に含まれていなければ、制作後に思うような成果につながりにくいことがあります。複数の制作会社から見積りを取り、内容を比べる時間を確保しておくことをおすすめします。

まとめ

まずは、お近くの商工会・商工会議所に、ホームページ制作が今回の事業計画に合うかを相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. ホームページ制作費だけで、補助金を申請できますか。 A. 多くの制度では、ホームページ制作費のみの申請ではなく、他の販路開拓の取り組みと組み合わせて計画することが前提になっているようです。詳しくは公募要領や窓口でのご確認をおすすめします。

Q. 上限額はどこで確認できますか。 A. 年度や枠によって異なるため、商工会・商工会議所が公開している最新の公募要領で確認することをおすすめします。制作会社の説明だけで判断しないことが大切です。

Q. 採択される前にホームページ制作に着手しても良いですか。 A. 多くの制度では、採択・契約前の発注は補助対象外とする運用がされていることが多いため、着手の時期は必ず公募要領や窓口に確認することをおすすめします。

Q. 公開後の運用費も対象になりますか。 A. 制度や年度によって対象範囲は異なり、公開後の月額運用費が対象外となる場合もあるようです。対象となる費目は、公募要領の確認が必要です。

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著者プロフィール

小宮山 泉(株式会社テラデザイン代表。中小企業・店舗のWeb制作とAI活用を支援しています。業種ごとの現場感を踏まえ、無理のない範囲での導入提案を心がけています。)