はじめに(この記事は約8分で読めます)

「ホームページは作ったあと、特に何もしていない」という中小企業様のお声を、少なからず伺います。見た目が変わっていなければ問題ないように見えますが、裏側ではPHPやWordPress本体のバージョンが古いまま残っているケースが多くあります。更新が止まっている期間が長いほど、後から保守を依頼した際の改修・検証作業が増えやすい傾向があると考えます。この記事では、保守を依頼する会社をどう選べばよいか、見積りの際に何を確認すべきか、そして保守にかける予算をどう考えればよいかを、具体的なチェック項目として整理しました。

目次:保守会社選びと見積りのポイント

  1. 結論:更新期間が長いほど、保守先選びの重要度が上がる
  2. そもそもPHP・WordPressの更新とは何をしているのか
  3. なぜ「放置期間」が長いほど改修作業が増えやすいのか
  4. 保守を依頼する会社を選ぶときに確認したい基準
  5. 見積りの際に確認しておきたいチェック項目
  6. 依頼後に起こりやすいすれ違いと、防ぐための会話の仕方
  7. 保守にかける予算をどう考えるか(経営判断としての視点)
  8. 八王子の中小企業経営者様へ(具体例で考える)

1. 結論:更新期間が長いほど、保守先選びの重要度が上がる

結論から述べますと、ホームページの更新を長期間行っていない場合、保守を依頼する会社の見極めが通常よりも重要になると考えます。理由は、更新が止まっている期間が長いほど、PHP・WordPress本体・テーマ・プラグインの間でバージョンの差が大きく開き、単純な更新作業では済まず、表示崩れや機能停止を避けるための確認・調整作業が増えやすいためです。

2026年10月には、PHPの重大な脆弱性2件(通称「PHP2Shell」)が公表され、総理が自身のXで緊急の呼びかけを行う出来事もありました。詳しくは関連記事「PHP・Node.js・AIのセキュリティ対策」でも触れていますが、今回のような緊急対応が必要になった際、普段から更新を行っている会社とそうでない会社では、作業のボリュームに差が出やすいのではないでしょうか。

2. そもそもPHP・WordPressの更新とは何をしているのか

PHPは、WordPressなど多くのホームページの裏側で動いている「仕組みそのもの」にあたる技術です。WordPressはそのPHPの上で動く「仕組みを使いやすくするソフト」で、さらにテーマ(見た目のデザイン)やプラグイン(機能を追加する部品)が組み合わさって、今のホームページができています。

これらはそれぞれ別の開発元が、別々のタイミングでバージョンアップを行っています。どれか一つでも古いままにしていると、他の部分を新しくした際に不具合が出ることがあり、これが更新作業を複雑にする一因になっています。普段からこまめに更新していれば、一つ一つの差は小さく、調整もしやすい状態が保てると考えられます。

3. なぜ「放置期間」が長いほど改修作業が増えやすいのか

たとえば、数年間まったく更新していないホームページを、最新のPHPに対応させる場合を考えてみます。PHP本体を新しくするだけでなく、古いバージョン向けに作られたテーマやプラグインが、新しいPHPの仕組みでは正しく動かなくなっていることがあります。

これらはすべて、更新を先延ばしにした期間に比例して増えていく傾向があると考えます。一方で、こまめに更新を重ねているサイトは、差分が小さいため、同じ作業でも確認の範囲を絞りやすいのではないでしょうか。費用は制作会社や作業範囲によって変わるため、見積りで確認することをおすすめします。

4. 保守を依頼する会社を選ぶときに確認したい基準

保守先を選ぶ際、価格の安さだけで決めてしまうと、後から想定外の作業が発生したときに対応してもらえない、ということも考えられます。以下の観点を基準にすることをおすすめします。

たとえば八王子の製造業の会社であれば、会社案内中心で更新頻度が低いホームページが多い印象があります。こうしたサイトほど、長期間保守先が見つからないまま放置され、いざ対応が必要になったときに慌ててしまうケースが少なくないと考えます。

5. 見積りの際に確認しておきたいチェック項目

見積りを依頼する際は、金額の数字だけを比較するのではなく、何が含まれているかを具体的に確認することが大切です。以下のチェック項目を、見積り依頼時にそのまま質問として使っていただいても構いません。

これらを確認することで、「安いと思って依頼したら、追加作業ごとに費用が発生した」という後からのすれ違いを防ぎやすくなると考えます。費用については制作会社や作業範囲によって大きく変わるため、個別の見積りで確認することをおすすめします。

6. 依頼後に起こりやすいすれ違いと、防ぐための会話の仕方

保守を依頼したあとによく聞かれるのが、「思っていた範囲と違う作業が発生した」という声です。こうしたすれ違いは、依頼前に「どこまでが保守の範囲か」をお互いに言葉で確認していないことから生まれやすいのではないでしょうか。

たとえば、「表示が崩れたら直してもらえると思っていたが、別途見積りが必要だった」というケースがあります。これを防ぐには、依頼の最初の段階で「異常が見つかった場合、どの時点で追加の見積りが発生するのか」を質問しておくことをおすすめします。口頭だけでなく、メールやチャットなど記録に残る形で確認しておくと、後から振り返りやすくなると考えます。

7. 保守にかける予算をどう考えるか(経営判断としての視点)

保守にかかる費用は、サイトの規模・機能(問い合わせ程度か、予約・会員機能があるか)、これまでの更新頻度によって幅があり、一律の金額をお示しするのは難しいのが実情です。ただし、費用の決まり方には共通した傾向があると考えます。放置期間が長いサイトほど、バージョン間の差分を埋めるための調査・検証作業が増え、対応の難易度が上がりやすい一方で、こまめに更新を重ねているサイトは、一回あたりの作業範囲を小さく抑えやすいのではないでしょうか。

経営判断としては、保守を「何か起きたときだけの修繕費」として捉えるのではなく、ホームページという営業ツールを安全に動かし続けるための必要経費として、あらかじめ予算や体制に組み込んでおく考え方もあるかと思います。数年に一度まとめて大きな改修を行うより、継続的な保守によって負担を分散できるケースが多いと考えられます。具体的な金額感は、サイトの状態を踏まえた個別の見積りで確認することをおすすめします。

8. 八王子の中小企業経営者様へ(具体例で考える)

たとえば八王子で工務店を営む経営者様が、5年前に作ったホームページをそのままにしているとします。この場合、まず自社のサイトがPHPを使ったWordPressなのか、それ以外の仕組みなのかを確認することから始めることをおすすめします。

WordPressであれば、管理画面にログインし、PHP・WordPress本体・プラグインのバージョンが表示される部分を確認します。もし自分で確認する方法が分からない場合は、無理に自己判断せず、保守を依頼できる会社に相談するのが安全な進め方だと考えます。更新頻度が低いホームページほど、「今のうちに一度まとめて確認しておく」という判断が、後々の大きな改修を防ぐことにつながるのではないでしょうか。

まとめ

ホームページの更新を長期間行っていないと、PHP・WordPress本体・テーマ・プラグインの間でバージョンの差が開き、保守を依頼した際の改修・検証作業が増えやすい傾向があります。保守先を選ぶ際は、バックアップ体制・更新範囲・検証環境・連絡体制・実績の5点を基準に確認することをおすすめします。また、保守費用は一律に示せるものではなく、継続的な保守によって負担を分散できる考え方もあることを押さえておくとよいと考えます。まずは、自社のホームページが今どのバージョンで動いているかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. ホームページの更新を何年もしていないが、まだ使えているので問題ないのでしょうか。 A. 表示上は問題がなくても、裏側のPHPやWordPress本体が古いバージョンのまま残っている可能性があります。見た目に変化がなくても、一度バージョンを確認しておくことをおすすめします。

Q. 保守を依頼する会社は、今作ってくれた制作会社でないとだめですか。 A. 必ずしも同じ会社である必要はありません。ただし、以前の制作内容を理解している会社の方が、調査の手間が少なく済む場合もあります。別の会社に依頼する場合は、現状のバージョンや構成を事前に伝えられるようにしておくとよいと考えます。

Q. 見積りが他社より高いと感じたとき、どう判断すればよいですか。 A. 金額だけでなく、バックアップ・検証環境・不具合対応の範囲が見積りに含まれているかを比較することをおすすめします。安い見積りには、これらの作業が含まれていないケースもあります。

Q. PHP2Shellのような緊急対応は、今後も定期的に起こるのでしょうか。 A. 今回と同じ規模の脆弱性が頻繁に起こるとは限りませんが、ソフトウェアの不具合は今後も一定の頻度で見つかるものと考えられます。普段から更新を続けておくことが、緊急対応の負担を小さくすることにつながると考えます。

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著者プロフィール

小宮山 泉(株式会社テラデザイン代表。中小企業・店舗のWeb制作とAI活用を支援しています。業種ごとの現場感を踏まえ、無理のない範囲での導入提案を心がけています。)