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ホームページの著作権はどちらに帰属する?発注前に確認すべきこと

「ホームページを作ってもらったのに、デザインを変えたいと言ったら制作会社に断られた」——こういったトラブルの根本原因は、著作権の帰属が契約書で明確になっていないことにあります。著作権法の原則上、制作物の著作権は「制作した側(制作会社)」に帰属します。発注者が費用を支払っても、契約書に記載がなければ著作権は自動的には移転しません。本記事では、ホームページの著作権の基本から、発注者が著作権を取得する方法・よくあるトラブル事例・発注前のチェックリストまで、八王子・多摩エリアの中小企業経営者向けにわかりやすく解説します。

結論:ホームページの著作権は「デフォルトで制作会社側」に帰属する

まず最も重要な結論をお伝えします。ホームページの制作を外注した場合、特段の取り決めがなければ著作権は制作会社(または制作を行ったフリーランス)に帰属します。

これは著作権法の原則に基づいています。日本の著作権法では、著作物を「実際に創作した者」が著作者となり、著作権を取得します。業務委託として外注した場合、制作会社が創作した側になるため、発注者(経営者・企業)ではなく制作会社が著作権者です。

▶ よくある誤解:「お金を払ったから自分のもの」は通じない

「制作費を全額支払ったのだから、ホームページは自社のもの」と考える経営者の方は多いです。しかし著作権法上、対価の支払いだけでは著作権は移転しません。お金を払って建設会社に家を建ててもらっても、その家の設計図の著作権は設計者側に残るのと同じ構造です。発注者が著作権を得るには、必ず契約書への明記が必要です。

著作権が問題になるのはどんな場面?

実際に著作権の帰属が問題になるのは、以下のような場面です。

このような場面で、著作権の帰属が不明確なまま行動すると、制作会社から著作権侵害として損害賠償請求を受ける可能性があります。発注前の契約確認が、リスク回避の第一歩です。

著作権の2種類:著作財産権と著作者人格権

著作権には大きく2種類あります。この違いを理解しておくと、契約書の内容を正確に読み取れるようになります。

種類 内容 譲渡可否
著作財産権 複製・改変・配布・公衆送信などの経済的な権利。ホームページの「使用・改変・流用」に関わる部分はほぼこちら 譲渡できる
著作者人格権 氏名表示権・同一性保持権など、制作者の人格的な権利。「自分が作ったことを主張する権利」「無断改変を拒む権利」など 譲渡できない

実務上は「著作財産権の譲渡」と「著作者人格権の不行使」をセットで契約書に盛り込むことで、発注者が安心してホームページを運用・改変できる状態を作ります。

ホームページを構成する著作権の種類(デザイン・コード・テキスト・画像)

一つのホームページは複数の要素で構成されており、それぞれに著作権が発生します。「ホームページ全体の著作権」をひとまとめに譲渡してもらっても、各要素の扱いを個別に確認しないとトラブルになることがあります。

デザイン(グラフィック・レイアウト)

ホームページのビジュアルデザインは、デザイナーが創作した著作物です。配色・フォントの組み合わせ・レイアウト・イラストなど、独自性のある表現はすべて著作権の対象になります。

ただし、「ありふれた表現」や「ありふれたレイアウト」(例:左にナビゲーション、右にコンテンツというだけの構成)には著作権が認められにくい場合もあります。

HTML・CSS・JavaScriptなどのソースコード

プログラムコードも著作物として保護されます。WordPressテーマのカスタマイズコードや独自開発のJavaScriptなど、制作会社が書いたコードの著作権は制作会社に帰属します。

契約書に「ソースコードも含めた著作権の譲渡」を明記していないと、コードを別の制作会社に渡して改修してもらうことに制限がかかる場合があります。

テキスト(ライティング・コピー)

制作会社が執筆したキャッチコピー・会社紹介文・サービス説明文なども著作物です。ただし、発注者(経営者)が自分で書いた原稿をそのままホームページに掲載した場合、その文章の著作権は発注者に帰属します。

一方、制作会社がライティングを担当した文章は制作会社の著作物です。この文章をパンフレットや他のWebサイトに転用する際には注意が必要です。

画像・写真・イラスト

写真や画像の著作権は複雑です。主なパターンを整理します。

▶ ポイント:「素材」の著作権は一括譲渡できない

制作会社が第三者から購入・調達した素材(ストック画像・フォント・有料プラグイン等)は、制作会社が著作権を持っているわけではないため、発注者への一括譲渡ができません。これらの素材を継続利用するには、発注者が直接ライセンスを取得するか、制作会社を通じた利用を継続する必要があります。

発注者が著作権を取得する方法と契約書への明記

発注者がホームページの著作権を取得するには、契約書(業務委託契約書または制作請負契約書)に著作権に関する条項を明記することが必要です。

契約書に盛り込むべき著作権条項の例

以下は、発注者に著作権が移転する形の条項例です。

【契約条項の記載例(著作権譲渡)】

第〇条(著作権の帰属)
乙(制作会社)が本契約に基づき制作した成果物に関する著作権(著作権法第27条および第28条に定める権利を含む)は、甲(発注者)が制作代金の全額を支払った時点をもって、乙から甲へ譲渡されるものとする。また、乙は甲に対し、本成果物について著作者人格権を行使しないことを確約する。

著作権の「譲渡」と「利用許諾(ライセンス)」の違い

著作権に関する契約には、「譲渡」と「利用許諾」という2つの方法があります。

方法 概要 発注者にとってのメリット・デメリット
著作権譲渡 著作権そのものを発注者に移す 自由に改変・転用・第三者への委託ができる。制作会社変更時もスムーズ。ただし譲渡料が別途発生することも
利用許諾(ライセンス) 著作権は制作会社が持ったまま、発注者に使用を認める 利用範囲が契約条件によって制限される。制作会社変更時に問題が起きやすい。許諾範囲を明確にしておく必要あり

中小企業のホームページ制作では、著作権の完全譲渡を求めることを推奨します。将来の制作会社変更・デザイン改修・他媒体への素材流用など、経営判断の自由度が大きく変わります。

フリーランスに発注する場合も同様

個人のフリーランスデザイナー・エンジニアに発注する場合も、著作権の扱いは会社への発注と変わりません。クラウドソーシングやSNS経由で依頼するケースでも、書面での著作権譲渡の合意が必要です。口頭での「いいですよ」は証拠にならないため注意してください。

著作権を持っていないと起きる具体的なトラブル事例

「著作権の話は難しそう」と感じる方も、具体的なトラブル事例を知っておくと、発注前に確認すべきことが明確になります。以下は実際に起こりうる(または実際に起きている)ケースです。

事例1:制作会社を変えようとしたら旧サイトを引き継げなかった

数年前に制作したホームページをリニューアルするため、新しい制作会社に旧サイトのデザインとコードを引き渡したところ、旧制作会社から「著作権侵害だ」と連絡が来た——というケースです。

旧制作会社との契約書に著作権譲渡の記載がなかったため、旧サイトのデザイン・コードの著作権は旧制作会社のままでした。新会社への引き渡し・改修が「著作権侵害(複製権・翻案権の侵害)」にあたると主張されたのです。

このトラブルを防ぐには、最初の契約時点で著作権譲渡を明記するか、「制作会社変更時の移行についての許諾条項」を盛り込むことが有効です。

事例2:自社スタッフがデザインを大幅変更して損害賠償請求を受けた

社内のWeb担当者が、制作会社に無断でホームページのデザインを大きく変更したところ、制作会社から著作者人格権(同一性保持権)の侵害として内容証明が届いたケースです。

同一性保持権とは「著作者の意図に反した改変を拒む権利」です。著作権(著作財産権)を譲渡してもらっていても、著作者人格権の「不行使条項」がない場合、制作者が意図に反した改変を主張できます。

契約書に「著作者人格権を行使しない」旨の条項を盛り込んでおくことで、このリスクを回避できます。

事例3:サイトの文章を流用したら著作権侵害と指摘された

ホームページ制作時にライティングも制作会社に依頼し、完成した文章をパンフレットや会社案内に転用したところ、制作会社から「別途費用が必要」「転用は契約外だ」と言われたケースです。

制作会社が書いたテキストの著作権が制作会社にあった場合、ホームページ掲載以外の用途(パンフレット・SNS・DM等)への転用は著作権者の許可が必要です。

制作依頼時に「制作物全体(テキスト含む)の著作権を譲渡すること」「二次利用・転用を許可すること」を明記すれば防げるトラブルです。

▶ トラブルの共通原因:「口頭合意」と「契約書の確認不足」

上記のトラブルに共通するのは、「費用を払えば何でも自由にできる」という誤った前提と、契約書の著作権条項を確認しないまま発注したことです。制作会社を信頼していても、担当者の異動・会社の方針変更・倒産などで状況が変わることがあります。書面による合意が唯一の防衛策です。

画像・フォント・素材の著作権にも注意が必要な理由

ホームページで使用する素材(画像・フォント・アイコン等)の著作権は、制作会社とは別に考える必要があります。制作会社から著作権を譲渡してもらっても、素材の著作権は第三者(素材提供会社)に帰属しているためです。

フリー素材サイトの落とし穴

「フリー素材」という言葉は「無料」を意味するのであって、「著作権フリー(著作権がない)」ではありません。多くのフリー素材サイトには利用規約があり、以下のような制限が設けられています。

制作会社に「フリー素材を使います」と言われた場合、どの素材サイトからどのような条件で使用するのかを事前に確認しておくことが大切です。

ストック画像(有料素材)のライセンス管理

Adobe StockやShutterstockなどの有料ストックサービスは、購入した側に「使用ライセンス」を付与します。ただし、以下の点に注意が必要です。

発注時に「使用する素材のライセンス一覧を納品物に含めること」を依頼しておくと、後々の管理がスムーズになります。

Webフォントの著作権と利用条件

Google FontsやAdobe Fontsなどのウェブフォントは、それぞれの利用規約に基づいて使用します。特に注意が必要なのは、有料フォントの埋め込みです。

一部の有料フォントは「デスクトップ使用ライセンス」と「Web使用ライセンス」が分かれており、デスクトップ用ライセンスだけでWebサイトに埋め込むことはライセンス違反になります。制作会社がどのフォントをどのライセンスで使用しているかを確認してください。

まとめ:著作権チェックリストと発注前の確認事項

ホームページの著作権トラブルの大半は、発注前の確認と契約書の整備で防ぐことができます。以下のチェックリストを、制作会社との契約前に必ず確認してください。

発注前の著作権確認チェックリスト

信頼できる制作会社を見極めるポイント

著作権の扱いを正直に説明してくれる制作会社は、長く付き合えるパートナーである可能性が高いです。逆に「著作権は当社に帰属します」とだけ言って詳細を説明しない会社は要注意です。以下の点を確認してみてください。

テラデザインの著作権ポリシー

株式会社テラデザインでは、制作費の完払い・検収完了をもって著作財産権を発注者様へ譲渡することを標準としています。また、使用する第三者素材のライセンス情報は納品時に一覧でお渡しします。

「今の制作会社と著作権の話をしたことがない」「乗り換えを考えているが著作権が心配」という方は、まず無料のLINE相談でご状況をお聞かせください。現状のリスクと対処法を個別にご説明します。

▶ 関連記事もあわせてご確認ください

ホームページ制作の契約書全般については「ホームページ制作の契約書で見ておくべきポイントと注意点」、制作会社の乗り換え手順については「ホームページを別の制作会社に乗り換えるときの手順と注意点」もあわせてご覧ください。

FAQ

よくあるご質問

ホームページの著作権は誰に帰属するのですか?

著作権法の原則では、ホームページを制作した者(制作会社やフリーランス)に著作権が帰属します。発注者(お客様)が著作権を取得するには、契約書に「著作権を発注者へ譲渡する」旨を明記する必要があります。口頭での合意や費用を支払っただけでは著作権は移転しません。

著作権を発注者に譲渡してもらうにはどうすればいいですか?

制作会社と交わす契約書(業務委託契約書または制作請負契約書)に、「本制作物の著作権(著作財産権)は納品・検収完了後に発注者へ譲渡する」と明記することが必要です。著作者人格権は譲渡できないため、「著作者人格権を行使しない」旨の条項もあわせて確認するとより安全です。

無断でホームページのデザインを変更すると問題になりますか?

著作権(同一性保持権)を制作会社が保有したままの場合、発注者が無断でデザインを大きく変更することは著作権侵害にあたる可能性があります。ただし、軽微な文言修正・商品情報の更新など「内容の保全を害しない範囲」の変更は問題になりにくいとされています。契約書で著作権の帰属と変更の可否を明確にしておくことが最善です。

フリー素材・ストック画像の著作権はどうなりますか?

フリー素材やAdobeStockなどのストック画像は、それぞれの利用規約に基づいたライセンスが適用されます。「フリー素材」でも商用利用禁止・加工禁止・著作権表示必須など条件がある場合があります。制作会社が使用する素材のライセンス条件を事前に確認し、商用利用可否・改変の可否・帰属表示の要否を必ずチェックしてください。

制作会社を変更するときに著作権上の問題はありますか?

著作権が制作会社に帰属したままの場合、別の制作会社がそのデザインやコードをもとに改修・流用すると著作権侵害になる可能性があります。乗り換えをスムーズに行うには、最初の契約時点で著作権の譲渡または「修正・改変の許諾」を契約書に盛り込んでおくことが重要です。

小宮山

小宮山 泉(こみやま いずみ)

株式会社テラデザイン 代表取締役

Web制作・SEO・MEO・AI集客領域で2017年に創業。20業種以上の中小企業・店舗様を支援し、八王子・相模原・多摩エリアを中心にホームページ制作・著作権対応・契約書整備まで一貫してサポート。「経営者の右腕」として、発注前から運用・乗り換えまで伴走支援を行う。→会社概要を見る

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