はじめに(この記事は約7分で読めます)

結論から述べますと、ワードプレス以外のCMSへ一律に移行する必要はないと考えます。2026年10月に公表されたPHPの重大な脆弱性をきっかけに、「うちのホームページもワードプレス以外に変えるべきか」というご相談を受けることが増えました。今回の脆弱性はワードプレスという一つのソフトの不具合ではなく、PHPという土台そのものの不具合です。したがって、CMSを変えれば安心という単純な話ではないと考えます。この記事では、CMSを選ぶ・見直す際に確認しておきたい観点を、八王子の中小企業の現場に合わせて整理します。

目次:CMS選びの考え方

  1. 結論:ワードプレス以外への移行は一律には必要ない
  2. なぜ今「CMSの選び直し」が話題になっているのか
  3. CMSを選ぶ・見直す時に確認したい4つの観点
  4. 更新頻度から考える
  5. 会員・予約機能の有無から考える
  6. 保守体制とセキュリティパッチの提供速度から考える
  7. 判断に迷ったときの進め方

1. 結論:ワードプレス以外への移行は一律には必要ない

結論から述べますと、今回の脆弱性報道だけを理由に、ワードプレス以外のCMSへ一律に移行する必要はないと考えます。CMSの選び直しが必要かどうかは、脆弱性の有無だけでなく、サイトの使い方全体から判断すべき問題です。たとえば会社案内中心で更新がほとんどない工務店様のホームページと、毎日スタッフブログを更新している美容サロン様のホームページでは、適した仕組みが異なることも少なくありません。まずは「変えるべきか」ではなく、「今の仕組みが自社の使い方に合っているか」を確認することから始めることをおすすめします。

2. なぜ今「CMSの選び直し」が話題になっているのか

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性は、CVSS v4.0で9.2という高い深刻度が付けられ、高市総理が自身のXで緊急の対応を呼びかけるほどの出来事でした。詳しい経緯は、以前まとめた「PHP・Node.js・AIのセキュリティ対策」でも解説しています。今回の脆弱性はPHP自体の不具合であるため、ワードプレスだけでなく、PHPを基盤に使う他のCMS全般にも影響する点が特徴です。「ワードプレスだから危ない」という理解は、やや正確ではないのではないかと考えます。一方で、ワードプレス自体のセキュリティホールが見つかる頻度が増えているという指摘も出てきており、他のCMSの選択肢を知っておく価値はあると考えます。2026年10月時点の情報です。最新の内容は公式サイトでご確認ください。

3. CMSを選ぶ・見直す時に確認したい4つの観点

CMSの向き不向きを判断する際は、次の4つの観点で整理すると見通しがよくなります。

この4点を先に整理しておくと、「流行っているから」ではなく、自社の実情に合わせた選び方ができるようになると考えます。次の章から、それぞれを順番に見ていきます。

4. 更新頻度から考える

更新頻度が低い会社案内中心のホームページであれば、ワードプレスのような更新機能が豊富な仕組みでなくても、更新頻度を抑えた仕組みで十分なケースが多いと考えます。更新の手間が減るだけでなく、外部から書き換えられる窓口そのものが少なくなるという利点もあります。一方で、毎週ブログを書いたり、キャンペーン情報を頻繁に差し替えたりする場合は、更新のしやすさを優先した仕組みのほうが現場の負担を減らせます。たとえば月に数回しか更新しない士業事務所様であれば、更新頻度の少なさを踏まえた仕組みを選ぶことで、保守の手間自体を減らせるのではないかと考えます。

5. 会員・予約機能の有無から考える

会員ログインや予約システムなど、顧客情報を扱う機能があるかどうかも重要な分かれ道です。顧客の個人情報や購買履歴を保管している場合、乗っ取りの被害は会社案内サイトよりも大きくなりやすい傾向があります。たとえば美容サロン様で予約システムと会員ランク機能を併用している場合、情報を保管する仕組みそのものの安全性を、デザインや見た目よりも優先して検討する必要があると考えます。反対に、お問い合わせフォームしかないシンプルなサイトであれば、過度に高機能な仕組みを選ぶ必要はなく、運用のしやすさを優先してよいケースも多いようです。

6. 保守体制とセキュリティパッチの提供速度から考える

CMSそのものの性能よりも、更新や点検を誰が・どのくらいの頻度で行っているかのほうが、実際のリスクを左右することが多いと考えます。どのCMSを選んでも、修正版が出た際にすぐに適用できる体制がなければ、脆弱性は残り続けます。選定時には、採用を検討しているCMSや関連ソフトが、不具合発見から修正版の提供までどのくらいのスピード感で対応してきたかも確認材料になると考えます。更新や点検を止めてしまうことのほうが、CMSの種類そのものよりもリスクが大きいのではないかと考えます。保守担当者が明確に決まっていない状態が、CMSの種類を問わず最も大きなリスクになりやすいようです。

7. 判断に迷ったときの進め方

ここまでの4つの観点を整理しても、「結局どうすればいいか分からない」と感じる方は少なくないと考えます。そのような場合は、「何を守るのか」「誰が更新を担当するのか」「不具合が起きたとき誰が元に戻すのか」という3点を先に決めることをおすすめします。たとえば複数店舗を運営する飲食店様であれば、まずは現状のCMSとバージョンを棚卸しし、更新担当を社内か外部の制作会社かで明確にするところから始めると、見通しが立てやすくなるのではないかと考えます。流行や口コミだけで仕組みを選ぶのではなく、自社の運用体制に合わせて判断する姿勢が大切ではないでしょうか。

まとめ

ここまで、CMS選びの考え方を4つの観点と判断の進め方から整理しました。

まずは、自社のホームページが今どの仕組みで動いているか、誰が更新・点検を担当しているかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. ワードプレス以外のCMSに乗り換えると、セキュリティは必ず改善しますか。 A. CMSを変えるだけでは改善は保証されないと考えます。乗り換え後も更新・点検を継続しなければ、新しい仕組みにも同じように脆弱性が見つかる可能性があります。

Q. 更新頻度を抑えた仕組みとは何ですか。 A. あらかじめ作られたページをそのまま表示するような、更新機能を絞った仕組みのことです。管理画面からの更新機能が少ない分、外部から書き換えられる窓口も少なくなる傾向があり、会社案内中心のサイトに向いていると考えられます。

Q. 保守担当者がいない場合、どうすればよいですか。 A. まずは現状のCMSとバージョンを確認し、更新・点検を誰が行うかを決めることをおすすめします。社内に専任の担当者がいない場合は、外部の制作会社に保守を依頼する方法もあります。

Q. CMSを見直すタイミングの目安はありますか。 A. 会員・予約機能を新たに追加するとき、更新頻度が大きく変わるとき、保守担当者が不在になるときなどが、見直しを検討するきっかけになりやすいと考えます。

まずは無料でご相談ください

CMS選びは、デザインの好みだけでなく、更新頻度・会員予約機能・保守体制まで含めて考える必要がある、やや専門的な判断ではないでしょうか。テラデザインでは、お店のミカタホームページとして、業種別のホームページ制作から月々の保守・更新までを支援しています。今の仕組みのままでよいか、見直すべきか迷っている方は、まずはLINEで無料相談からお気軽にお問い合わせください。

LINE公式アカウントで無料相談するテラデザインに無料相談・お問い合わせ

著者プロフィール

小宮山 泉(株式会社テラデザイン代表。中小企業・店舗のWeb制作とAI活用を支援しています。業種ごとの現場感を踏まえ、無理のない範囲での導入提案を心がけています。)