GBP口コミの「いいね」機能とは何か
GBPの口コミページには、各口コミの下部に「役に立った」と書かれた親指アイコン(いいねボタン)が表示されています。Googleアカウントにログインしているユーザーであれば誰でも押せるこのボタンは、SNSのいいねに似た機能です。
口コミにいいねが付くと、その口コミには「〇人が役に立ったと評価しました」という表示が追加されます。また、いいね数が多い口コミは「役立った順」での表示時に上位に来やすくなります。
・Googleアカウントにログインしていれば誰でも押せる
・オーナー側からも自社GBPの口コミにいいねを押せる(Googleポリシー上は可)
・いいねを押すと口コミ投稿者に通知が届く場合がある
・「役立った順」ソート時にいいね数の多い口コミが上位表示される
・いいねを取り消すこともできる
この機能自体は地味に見えますが、口コミが閲覧者にどのような印象を与えるかを左右するという点で、MEO戦略において無視できない要素と言えるでしょう。
いいね数と検索順位の関係:八王子エリア調査
テラデザインでは2026年7月、八王子エリアで支援しているクライアント12店舗のGBPデータと、「八王子 整体」「八王子 美容院」「八王子 飲食店」などのキーワードで上位表示されている店舗を比較分析しました。
| 指標 | 上位3位以内 | 4〜10位 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 口コミの総いいね数(中央値) | 47件 | 12件 | 約4倍 |
| いいね10件以上の口コミ数 | 平均3.2件 | 平均0.4件 | 約8倍 |
| オーナー返信あり口コミへのいいね率 | 約38% | 約14% | 2.7倍 |
| 口コミへの平均返信率 | 91% | 43% | 2.1倍 |
この調査から、検索順位が高い店舗ほど口コミのいいね数が多く、かつ返信率も高い傾向があることがわかります。ただし、いいねが順位に直接影響するのか、活発なGBP運用の結果として両方が伸びているのかは因果関係を断定できない点に注意が必要です。相関関係として捉えていただくことをお勧めします。
「いいね」が口コミの表示順に与える影響
GBPの口コミには表示順の切り替えオプションがあります。デフォルト表示は「最新順」ですが、ユーザーは「評価が高い順」「評価が低い順」「役立った順」に切り替えることができます。
「役立った順」で表示した場合、いいね数が多い口コミが最上位に来ます。これが最も重要なポイントです。
店舗を検討しているユーザーが口コミを見る際に「役立った順」に切り替えることは少なくありません。この時に高評価・詳細内容・いいね多数という口コミが最上位に表示されれば、来店意思決定に大きくプラスの影響を与えられます。逆に低評価の口コミにいいねが集中していれば、それが最初に目に入ることになります。
シーン①:ユーザーが「役立った順」に切り替えた時に高評価口コミが上位に来る
シーン②:口コミ投稿者がいいね通知を受け取り、再来店のきっかけになる
シーン③:競合他店との比較閲覧時に、口コミの「活発さ(反応数)」が信頼感につながる
いいねが多い口コミと少ない口コミの見え方の違い
実際の閲覧者にとって、いいねが多い口コミはどのように見えるのでしょうか。心理的な効果という観点から整理します。
SNSの調査では「他の人が役立ったと思っているコンテンツはより信頼性が高い」と感じる「社会的証明」の効果が確認されています。GBPの口コミも同様の心理効果が働くと考えられます。
「47人が役に立ったと評価しました」という表示は、「47人がこの口コミを読んで同意した」という暗黙のサインになります。特にネガティブな口コミではなく、ポジティブな口コミにこうした表示があることで、来店前の不安を解消し安心感を高める効果が期待できます。
オーナーが合法的にいいねを増やす3つの方法
Googleのガイドラインに沿った合法的な方法で、口コミのいいね数を増やすアプローチを紹介します。
方法1|口コミへの丁寧な返信で「いいね」を誘発する
返信の充実度といいね数には相関があることが前述の調査でも確認されています。閲覧者が「この返信いいな」と感じたとき、口コミ本文ではなく返信文にいいねを押すケースもありますが、そのきっかけで口コミ全体を読み返し、いいねを押すことも多いと考えられます。温かみがあり具体的な返信が、自然な形でいいねを誘発します。
方法2|既存顧客に口コミのいいね押しを依頼する
LINE公式アカウントやメールマガジンで、「Googleマップの口コミに『役に立った』ボタンがあります。参考になりましたらぜひ押していただけると嬉しいです」と伝えることは、Googleのガイドライン上問題ありません。特定の口コミを指定するのではなく、機能の存在を知らせる形にするとより自然です。
方法3|スタッフがGoogleアカウントで自社口コミにいいねを押す
スタッフ個人のGoogleアカウント(Googleアカウントに実名・顔写真があるもの)で、実際に役立ったと感じる口コミにいいねを押すことは、Googleが明示的に禁止している行為ではありません。ただし、複数のアカウントで同じ口コミに一斉にいいねを押すなど、不自然なパターンは避けることをお勧めします。1日1〜2件程度のペースが自然と言えるでしょう。
GBPのオーナー管理アカウントと同じGoogleアカウントで自社口コミにいいねを押すことが技術的に可能かは、Googleの仕様変更によって変わる場合があります。個人のGoogleアカウント(スタッフなど)で行う方が自然なシグナルになると考えられます。いずれにしても過度な操作は避けてください。
口コミへの返信がいいね数を左右する理由
返信のあるなしがいいね数に大きく影響する理由は2つあります。
第一に、返信がある口コミは「オーナーが丁寧に対応している店舗」の証明として機能します。閲覧者が「この口コミを読んで、自分も行ってみようと思った」と感じた時、その気持ちを表現する手段として「いいね」を押すことがあります。
第二に、口コミ投稿者本人も返信が届くと通知を受け取ります。「返信来てた!素敵な対応だな」と感じた投稿者が、改めて口コミを読み返して自らいいねを押すケースもあります(技術的には自分の口コミにもいいねは押せます)。
返信の質を高める基本的な型を以下に示します。
| 構成要素 | 記述例 | ポイント |
|---|---|---|
| 感謝と名前呼びかけ | 「〇〇様、心温まるお言葉をいただきありがとうございます」 | テンプレ感を排除・個別対応の印象 |
| 口コミ内容への言及 | 「施術の説明についてご好評いただけて大変嬉しいです」 | 内容をちゃんと読んでいる誠実さが伝わる |
| 自社の強み・特徴の自然な言及 | 「当院では毎回の施術前後に症状の変化をお伝えするよう心がけています」 | 閲覧者への情報提供にもなる |
| 再来店の誘い | 「またお身体の気になることがあればいつでもお越しください」 | 温かみのある締めくくり |
絶対にやってはいけない「いいね」の不正操作
いいね機能の効果を知ると、「購入できないか」「業者に依頼できないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、以下の行為はGoogleのガイドライン違反となり、GBPの停止・口コミの一括削除・検索順位の大幅低下につながるリスクがあります。
- いいねを販売する業者からの購入:大量かつ急激な増加はGoogleのシステムに検知されやすい
- 複数のダミーアカウントを使った自社口コミへのいいね集中操作:同一IPアドレスや同一デバイスからの操作は特に検知されやすい
- 競合店のネガティブ口コミにいいねを集中させて上位表示させる行為:営業妨害に相当する可能性がある
- 金品・特典と引き換えに特定口コミへのいいねを依頼する行為
「自然な範囲で、実際に関係のある人が、率直に評価として押す」——これがいいね機能の正しい使い方の基準と言えるでしょう。いいね数を短期間で人工的に増やすことは、長期的なリスクを招きます。
いいね機能とエンゲージメントシグナルの関係
Googleのアルゴリズムは、GBPの「エンゲージメント」を評価指標の一つとして考慮していると言われています。エンゲージメントとは、「ユーザーがGBPにどれだけ積極的に関わっているか」を示す指標です。
口コミへのいいね・写真への閲覧・投稿へのクリック・電話ボタンのタップなど、さまざまなアクションがエンゲージメントシグナルに含まれます。いいねが増えること自体よりも、「活発なGBP」という全体的な印象がGoogleに評価されるという視点で捉えることが適切と考えられます。
八王子エリアでの調査でも、口コミへの返信率・いいね数・写真更新頻度・投稿頻度の4つすべてが高い店舗は、そのうちの1〜2つしか取り組んでいない店舗と比較して、GBPの「検索表示回数」が平均2.3倍高い傾向が見られました。
八王子エリアの業種別 いいね活用の優先度
業種によって口コミのいいね機能の活用効果は異なります。八王子エリアの実情をもとにまとめました。
| 業種 | 口コミ件数の多さ | いいね活用の効果 | 推奨アクション |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | 多い | 高い | 高評価口コミへの丁寧な返信を最優先 |
| 美容院・サロン | 多い | 高い | 既存顧客へのいいね機能案内を実施 |
| 整体・整骨院 | 中程度 | 中〜高 | 返信品質の向上と自然ないいね誘発 |
| クリニック・歯科 | 少なめ | 中 | 少ない口コミを丁寧に活かすことを優先 |
| リフォーム業 | 少ない | 低〜中 | 口コミ件数の増加を先に優先 |
飲食店・美容院のように口コミ件数が多い業種は、いいね数の差が来店判断に影響しやすいため、積極的にいいね数を高める取り組みを進めることをお勧めします。一方、リフォームなど口コミ自体が少ない業種は、まず口コミ件数を増やすことを優先し、いいね活用はその後のステップとして位置づけると効率的です。
まとめ:GBP口コミいいね活用チェックリスト
GBP口コミの「いいね」機能は、検索順位への直接的な影響は不明確ながら、口コミの見え方・閲覧者への印象・エンゲージメントシグナルの3つの側面で意味のある機能と言えるでしょう。正しく活用することで、競合との差別化につながる可能性があります。
- □ すべての口コミに7日以内を目安に返信している
- □ 返信はテンプレートではなく、口コミ内容に言及した個別文にしている
- □ 高評価・詳細な口コミへは特に手厚い返信を書いている
- □ スタッフに口コミのいいね機能の存在を周知している
- □ LINE・メールマガジンで「役に立った」ボタンの案内をしたことがある
- □ いいね購入などの不正行為は一切行っていない
- □ 「役立った順」で自社口コミを定期的にチェックしている
- □ ネガティブな口コミに不自然ないいねが集中していないか確認している
いいね機能の活用は、口コミ返信の品質向上・既存顧客との関係強化という本質的な取り組みの延長線上にあります。本質的なGBP運用の改善が、結果としていいね数の自然な増加につながると考えていただければ幸いです。
よくある質問(FAQ)
GBP口コミの「いいね」はMEOの検索順位に影響しますか?+
Googleは「いいね」を直接的な順位決定要因として公式に認めていません。ただし、いいねが多い口コミは「役立った口コミ」として上位表示されやすく、閲覧者がよい評価を先に目にする効果があります。また、口コミの活性度がエンゲージメントシグナルとしてアルゴリズムに評価される可能性は否定できません。
口コミの「いいね」を合法的に増やす方法はありますか?+
最も効果的な方法は、口コミへの返信を充実させることです。「この口コミを見た方がいいね!を押しやすいような返信」を書くことで自然にいいねが増える傾向があります。また、スタッフが自身のGoogleアカウントで口コミにいいねを押すことは、Googleのガイドライン上は禁止されていません(ただし、やり過ぎは不自然なシグナルになる可能性があります)。
GBP口コミに「いいね」を押すことでどんな効果がありますか?+
主に2つの効果があります。①その口コミが「役立った順」で上位に表示されやすくなり、閲覧者がよい評価を最初に目にする。②口コミ投稿者に通知が届くため、再来店や追加の口コミ投稿を促すきっかけになることがあります。
ネガティブな口コミにいいねは押すべきですか?+
ネガティブな口コミにオーナーがいいねを押すことは推奨しません。誤解を招いたり、ネガティブな口コミが「役立った」として上位表示されるリスクがあります。ネガティブ口コミには丁寧な返信で対応することが適切です。
いいねの購入や不正操作はGBPに悪影響がありますか?+
あります。Googleのガイドラインに反する不正な操作(業者による大量いいね購入など)は、GBP停止・口コミ削除のリスクがあります。特に短期間に急増するような不自然なパターンはGoogleのシステムに検知されやすいため、絶対に避けることをお勧めします。
