結論:ドメインは絶対に自分名義で取得・管理すべき
結論から述べます。ドメインは必ず自社(または経営者ご自身)の名義で取得し、自分でアカウント管理すべきです。制作会社やフリーランスのクリエイターに管理を委ねることは、たとえ信頼関係があるとしても、非常にリスクの高い状態です。
ドメインはホームページのURLそのものであり、メールアドレスのベースでもあります。名刺・パンフレット・Googleビジネスプロフィール・SNSプロフィール……あらゆる場所に記載されている会社の「住所」と同義です。これを他人名義で管理させることの危険性を、多くの経営者はまだ十分に認識できていません。
① ドメインの名義(登録者)は必ず自社または代表者本人にする
② レジストラのアカウント(ID・パスワード)は自分で把握・管理する
③ 自動更新設定をオンにし、登録メールアドレスを現在使えるものにしておく
「制作会社が全部やってくれるから楽」という気持ちはよくわかります。しかし、ドメインだけは例外です。サーバーの設定やサイトのデザイン更新は制作会社に依頼してよいのですが、ドメインの名義と管理権限だけは必ず自社で持つべきです。その理由を次の章以降で詳しく説明します。
ドメインとは何か?なぜ重要なのか(初心者向け解説)
まず基礎知識を整理します。「ドメイン」という言葉をなんとなく聞いたことはあるけれど、正確には何なのかよくわからない、という方向けの解説です。
ドメインとは「ウェブ上の住所」のこと
ドメインとは、インターネット上の「住所」にあたる文字列のことです。たとえば terra-design.co.jp がドメインです。ウェブブラウザに https://www.terra-design.co.jp と入力するとテラデザインのホームページが表示されますが、この terra-design.co.jp の部分がドメインにあたります。
ドメインはインターネット上で世界に1つしか存在できないため、先に取得した人がその権利を持ちます。年間の使用料(更新料)を払い続ける限り、取得者が使い続けることができます。
ドメインはウェブサイトとメールの両方に影響する
ドメインが影響する範囲は、ホームページのURLだけではありません。
- ウェブサイト:
https://www.〇〇.co.jpというURL全体 - メールアドレス:
info@〇〇.co.jpの「@より後ろ」の部分 - Googleビジネスプロフィール:「ウェブサイト」欄に登録したURL
- 名刺・パンフレット・看板:印刷物に記載されたURLとメール
つまり、ドメインを失うということは、ウェブサイトが表示されなくなるだけでなく、今まで取引先に伝えてきたメールアドレスも使えなくなるということです。この影響の大きさを理解していただくことが、ドメイン管理の重要性を知る第一歩です。
ドメインとサーバーの違いを理解する
混同しやすいのが「ドメイン」と「サーバー(レンタルサーバー)」の違いです。
- ドメイン:「住所」(URLそのもの)。年間数千円程度のレンタル料
- サーバー:「土地と建物」(ウェブサイトのデータを置く場所)。月額500〜3,000円程度
ドメインとサーバーはそれぞれ別の会社で契約することも、同じ会社でまとめて契約することもできます。大切なのは、どちらの契約も必ず自社の名義で行うことです。
制作会社名義でドメインを管理させることの5つのリスク
では、なぜ制作会社名義でドメインを管理させることが危険なのか。実際に起きやすいリスクを5つに整理します。これらはどれも「まさかうちには関係ない」と思われがちですが、実際に地域の中小企業で起きている事例です。
リスク①:制作会社が廃業・倒産するとドメインを失う
制作会社が突然廃業してしまうケースは決して珍しくありません。特に個人事業主やスモールな制作会社ほど、経営状況が不安定なことがあります。制作会社名義で取得されたドメインは、廃業と同時に更新が止まり、失効する可能性があります。
ある飲食店が10年前に制作会社に全て任せてホームページを開設。ところが3年前に制作会社が廃業。連絡が取れなくなり、ドメインの更新ができないまま失効。10年かけてSEOで積み上げてきた「○○ 八王子 ランチ」の検索順位がゼロに戻り、新しいドメインで再構築することになった。Googleビジネスプロフィールのウェブサイト欄も変更が必要となり、地図検索でのクリック率も一時的に低下した。
リスク②:担当者の退職・連絡不能でアクセス権を失う
制作会社名義であっても、実際にドメインを管理しているのは特定の担当者であることがほとんどです。その担当者が退職した場合、レジストラのアカウント情報が引き継がれないケースが多くあります。担当者が変わるたびに「管理できる人がいない」状態に陥るのは、中小規模の制作会社でよく起きる問題です。
最悪の場合、更新手続きが誰もできないまま失効し、経営者が「ドメインを取り戻してほしい」と依頼しても、すでに別の誰かに取得されてしまっているという事態になります。
リスク③:制作会社との関係が悪化したときに人質にされる
「制作費を払わないとドメインを更新しない」「乗り換えるならドメインは渡さない」——こうしたトラブルの相談を受けることがあります。制作会社名義のドメインは法律的には制作会社の資産であるため、交渉力の面でお客様側が著しく不利な立場になります。
ドメインを人質にされた状態では、乗り換え先の制作会社を探すことも、サイトをリニューアルすることも困難になります。こうした状況を防ぐためにも、ドメインは自社名義で管理することが根本的な解決策です。
リスク④:更新切れに気づかず失効するリスク
制作会社名義のドメインは、更新のタイミングが来ても経営者本人に通知が届きません。制作会社のメールアドレスに更新案内が届き、見落とされたままドメインが失効する事例は少なくありません。
ドメインが失効すると、最初の数日〜数週間はウェブサイトとメールが使えなくなります。その後、猶予期間(通常30〜90日)を過ぎると第三者が取得可能な状態となり、場合によっては悪意ある第三者(フィッシングサイトの運営者など)に取得されてしまうリスクもあります。
リスク⑤:制作会社を乗り換えるときにドメインの移管手続きが必要になる
制作会社を変更する際、ドメインが制作会社名義であると、移管手続きという追加作業が発生します。移管には通常5〜14日程度かかり、その間ウェブサイトが不安定になるリスクがあります。また、移管を拒否される・高額な移管手数料を請求されるといったトラブルも報告されています。
最初から自社名義で取得していれば、制作会社を変更しても「DNSの変更設定をするだけ」で済みます。ドメイン自体を動かす必要はありません。
ドメインを自分で取得する方法と推奨レジストラ
「自分でドメインを取得するのは難しそう」と感じる方も多いですが、実際には15〜30分程度の手続きで完了します。ここでは手順と推奨するレジストラ(ドメイン販売会社)を解説します。
ドメイン取得の基本手順
- 使いたいドメイン名を決める:会社名や屋号をベースに、わかりやすくシンプルなものを選ぶ。例:
〇〇-reform.co.jp - レジストラのサイトで空き状況を確認する:お名前.com・ムームードメイン・さくらのドメインなどの検索窓に入力する
- ドメインを選択してカートに入れ、会員登録・支払い手続きをする:会社名・住所・メールアドレス・クレジットカード情報が必要
- 自動更新設定をオンにする:取得直後に必ず設定し、更新忘れを防ぐ
- 制作会社にDNS設定を依頼する:取得したドメインをサーバーに紐づける設定(DNSレコードの変更)は制作会社に依頼してOK
推奨レジストラの比較
| レジストラ | 特徴 | 初心者向け |
|---|---|---|
| お名前.com | 国内最大手。取り扱いドメイン数が多く、初年度キャンペーンが充実。管理画面がやや複雑 | △ |
| ムームードメイン | 管理画面がシンプルで使いやすい。GMOグループで安定感あり。ロリポップとの連携が得意 | ◎ |
| さくらのドメイン | さくらインターネットのサーバーと合わせて使うと設定が簡単。料金も安定している | ◎ |
| Cloudflare Registrar | 原価での提供でコストが最安水準。英語UIだが操作はシンプル。IT系事業者向け | △ |
① 初年度格安の罠に注意:初年度1円〜のキャンペーンでも、2年目以降の更新料が高い場合があります。必ず2年目以降の価格を確認してから取得する
② .co.jpは法人のみ取得可能:.co.jp は登記のある法人のみ取得可能。個人事業主は.com.jp.net などが選択肢
③ 会社名・ブランド名と一致させる:SEOとAIO(AI検索最適化)の観点からも、ドメイン名は会社名・サービス名と関連性の高いものが望ましい
ドメインを自分で取得したあとにやること
ドメインを取得したら、以下の2点を必ず確認してください。
- 登録メールアドレスを必ず使えるものにする:更新通知・認証コードはすべてここに届きます。普段使いのアドレスを設定し、定期的に受信できるか確認する
- 自動更新を必ずオンにする:更新忘れによるドメイン失効を防ぐ最も確実な方法。クレジットカードの有効期限にも注意する
ドメイン管理と合わせて確認すべきサーバー・SSL証明書の注意点
ドメインと同様に、サーバーとSSL証明書も「誰の名義で契約しているか」を必ず確認しておく必要があります。ドメインは自社名義でも、サーバーが制作会社名義だと同様の問題が起きる可能性があります。
サーバー(レンタルサーバー)の名義確認
レンタルサーバーはウェブサイトのデータ(HTMLファイル・画像・WordPressのファイルなど)を保管する場所です。サーバーが制作会社名義の場合、以下のリスクがあります。
- 制作会社が廃業するとサーバーの支払いが止まり、ウェブサイトのデータごと消えてしまう
- サーバーのFTP情報(ファイルのアップロードに使う接続情報)を教えてもらえず、他社への乗り換えが困難になる
- バックアップの状況が把握できず、サイトがクラッシュした際の復旧が遅れる
サーバーも可能な限り自社名義で契約し、少なくともFTP接続情報・サーバーの管理画面アカウントは自社で把握しておくことを推奨します。
SSL証明書(HTTPS化)の確認ポイント
ウェブサイトのURLが https:// から始まっているかどうかを確認してください。http://(sなし)の場合、SSL証明書が設定されていない状態で、以下の問題があります。
- Googleからの評価が低く、SEOに不利(2026年時点ではHTTPSは必須)
- ブラウザに「このサイトは安全ではありません」という警告が表示されて信頼性が低下する
- お問い合わせフォームからの送信データが暗号化されず、情報漏えいリスクがある
SSL証明書には無料のLet's Encryptと有料の証明書があります。多くのレンタルサーバーでLet's Encryptを無料で利用できますが、有効期限が90日間のため定期的な更新が必要です。自動更新設定がオンになっているかを確認してください。
WordPressサイトの管理アカウントも必ず自社で持つ
WordPressで制作されたサイトの場合、WordPressの管理画面(/wp-admin)へのアクセス情報も重要です。制作会社だけがアカウントを持っている状態だと、記事の更新・プラグインの管理・セキュリティ対応が全て制作会社依存になります。必ず自社の管理者アカウントを作成し、ログイン情報を自社で保管してください。
まとめ:ドメイン管理チェックリスト(今すぐ確認を)
ここまでの内容を踏まえて、今すぐ確認していただきたいチェックリストをまとめます。「一つでも×がある」場合は、早急に対応することをお勧めします。
| 確認項目 | 確認方法 | 対応方法 |
|---|---|---|
| ドメインの名義が自社になっている | Whois検索で確認 | 移管手続きが必要 |
| レジストラのアカウント(ID/PW)を自社で把握している | 制作会社に確認 | 情報共有を依頼 |
| ドメインの自動更新がオンになっている | レジストラ管理画面 | 設定画面でオンに |
| 登録メールアドレスが現在使えるものになっている | レジストラ管理画面 | メアドを更新 |
| サーバーの契約が自社名義になっている | 制作会社に確認 | 名義変更を依頼 |
| サーバーのFTP情報・管理画面アカウントを把握している | 制作会社に確認 | 情報共有を依頼 |
| URLがhttpsから始まっている(SSL設定済み) | ブラウザで確認 | SSL証明書を設置 |
| WordPressの管理者アカウントを自社で持っている | ログイン試行で確認 | 管理者アカウント作成 |
現在の制作会社名義ドメインを移管する際の流れ
- 現在のドメインがどこのレジストラで管理されているかを確認する(Whois検索で調べられます)
- 制作会社に「ドメインを自社名義に変更したい」と伝え、移管コード(Auth Code)の発行を依頼する
- 自分でアカウントを作成したレジストラ(ムームードメインなど)でドメイン移管の手続きを行う
- 移管完了後、自動更新設定・登録メールアドレスを確認する
制作会社にドメイン移管を依頼したところ拒否された場合、まずは書面(メール)で改めて依頼し、正当な理由なく拒否する場合は法律的に問題がある可能性があります。JPRS(日本レジストリサービス)やJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)の相談窓口に問い合わせることもできます。また、移管が困難な場合でも、ドメインの「登録者」を自社に変更(名義変更)するだけなら、移管よりも手続きが簡単な場合がありますので、こちらから交渉してみてください。
信頼できる制作会社を見分けるポイント
これから新しくホームページを制作する場合は、最初からドメイン管理について確認しておくことが大切です。信頼できる制作会社は、こちらが聞く前に「ドメインはお客様名義で取得してください」と案内するはずです。逆に、「全部任せてください」とドメインまで管理しようとする会社には注意が必要です。
テラデザインでは、ドメインとサーバーはお客様自身の名義で取得・管理いただくことを原則としています。制作・サポート業務と、インフラの所有権は明確に分離することが、長期的に見てお客様にとって最も安全な形だと考えているからです。初めての方でもスムーズに進められるよう、レジストラの選び方から取得手順・DNS設定のサポートまで、丁寧にご案内します。
「今使っているドメインが誰名義になっているかわからない」「制作会社から移管してもらえるか不安」という方は、下のLINE無料相談でまずはご状況をお聞かせください。現状の確認方法から対応策まで、一緒に整理します。
